最高裁判所第二小法廷 昭和37年(オ)301号 判決 1962年10月12日
主文
本件申立を却下する。
理由
本件申立の要旨は、申立人は当裁判所において、城朝子との間の昭和三七年(オ)第三〇一号取立命令金請求上告事件属中のところ、同年四月一二日被申立人に対して、右取立命令の基本債権である大阪高等裁判所昭和三三年(ネ)第四七一号和解調書に基づく元本金三四八、五〇〇円およびこれに対する昭和三三年一二月一一日から支払ずみに至るまで年六分の割合による遅延損害金債権ならびにこれに伴う一切の権利を譲渡したから、爾後被申立人をして申立人の訴訟を引き受けさせるため、民訴七四条に基づき本件申立に及ぶというのである。しかし、民訴七四条による訴訟引受の申立は事実審の口頭弁論終結前に限つてなされるべきものであり、上告審において右申立をなすことは許されないから、本件申立は不適法として却下すべきである。よつて主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 池田 克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)